過呼吸(過換気症候群)になったら

 『過呼吸(過換気症候群)になったら』


今回も別段、IBDと関連があるわけではありませんが、たまたま職場で初出勤の高校生のバイトちゃんが一通りの説明を終えて社員さんと一緒にレジに立ったとき過呼吸になってしまって、社員さんたちがあわあわしてて上手く対処できていなかったので保健のお話として今回は過呼吸の原因と治し方についてお話していきたいと思います。


●過呼吸(過換気症候群)とは

・過呼吸とは、『強い緊張』や『不安』による『精神的なストレス』によって発作的に起こる呼吸困難・その他様々な症状を引き起こす症候群です。

過呼吸になりますとまず呼吸が困難になり、

「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、」と、

何度も激しく息を吸って吐く『速く浅い呼吸』の繰り返しとなり、呼吸が途切れ途切れで十分に息を吸うのも吐くのも上手くできなくなり、「酸素が足りない」と感じる状態になり、その不安や焦燥感からさらに一層酷く呼吸のリズムが乱れて荒くなったり速くなったり、また長時間続くようになってしまいます。 


・その他の症状としては、胸痛、動悸、めまい、しびれ感など。

重度の場合ですと全身のしびれや痙攣、あるいは失神してしまうこともあります。 

本人にとっては突然に呼吸が上手くできなくて速くなってしまい、空気を吸えない感じがして胸も痛く苦しくなります。

激しいスポーツの直後や睡眠不足等でも起こります。

肉体的疲労や、緊張状態が長かったり、睡眠不足によって心が落ち着かない状態が続いたりしますと起こりやすいです。


・過呼吸の状態が長く続くと過度な呼吸によって二酸化炭素を必要以上に吐き出してしまい、血液中の炭酸ガス濃度が低くなり、血液がアルカリ性になることで様々な重度の症状が引き起こされるため、適切な処置が必要になります。

※アルカリ性うんぬんは知らなくても大丈夫です。


⚠️ここで大きなポイントになるのは、過呼吸は速く浅い呼吸を繰り返すことで血液中の二酸化炭素が少なくなり、様々な症状が突発的に引き起こされますが、『実際に血液中の酸素が不足した状態になることはありません』。

酸素は足りているということです。ここが誤認識されやすく、治し方と関連する重要なポイントになります。


●過呼吸と自律神経

副交感神経優位(リラックス)』の場合、呼吸はゆっくり、深くなります。

強い精神的ストレスにより『交感神経優位』になった場合は、自ずと呼吸は速く浅くなり、それが更なる不安や緊張を助長させ、『過呼吸』を引き起こします。そしてさらなる不安からの悪循環になります。


・私の過去の記事を閲覧された方で、「おや?なんか似たような症状のがあったような……」と気付かれた方いらっしゃるかもしれませんね。

その似たような症状とは、『迷走神経反射』です。

記事はコチラになります↓

IBDと迷走神経反射による脳貧血


●過呼吸と迷走神経反射は違う

迷走神経反射でも、貧血や呼吸の乱れがありますが、過呼吸で迷走神経反射にはなりません。

これはどういうことかといいますと、原因と仕組みが異なります。

・過呼吸は、『自分で呼吸の調整ができなくなってしまい』、発症する呼吸が困難な状態です。

・迷走神経反射でも急性的に似通った症状が起こることがありますが、迷走神経反射の場合、引き金となる『何かが起きて』それが要因となって脳がパニックを起こし、副交感神経が緊張状態となり神経のバランスが乱れて起こります。

たとえば、事故を目撃するですとか、大量の血を見てですとか、めっちゃ怒られてですとか。

外からの突発的な強い刺激』の何かがあって起こるショック症状のようなものですね。


・過呼吸は強い緊張や不安、ストレスが原因です。これはたとえば、

試験前ですとか、面接前ですとか、試合前ですとか。待ってる間ずっと緊張し続け、待ち受けているシーンを想像して気構えて緊張や不安がさらに強まり発作的に起こります。

自分で』というのは自らの意識や心の問題ですね。外からぶつけられるストレスではなく、自分で自分を追い込んでしまい、緊張、不安、ストレスが過剰になってジリジリと追い詰め、交感神経優位となって果てに過呼吸が起こってしまいます。

長期的・慢性的なストレス』ですね。


似てるようで仕組みがちょっと違いますね。交感神経と副交感神経の働きはとても難しいです。このへんは覚える必要はないかと。

過呼吸と迷走神経反射は違う』、とだけ覚えておければOKと思います。


●過呼吸になりやすい人

几帳面』であったり『心配性』であったり、常になにかに不安感があって緊張とストレスが絶えないような方の場合、限界がきたときに起こりやすいです。

精神的に未熟な子供』でも起こりやすいですね。

また、『パニック障害』や『うつ病』、『ADD』や『ADHD』など、『精神疾患や発達障害』の方は、併発しやすい傾向にあります。心の問題が大きいですからね。


●過呼吸の予防と治し方

ここまでお話した通り、過呼吸は自分の心、精神の状態に起因します。

そのため、過呼吸を治す上で最も肝要になるのが『心を落ち着かせること』にあります。


・まず過呼吸の予防として、自分で精神的にかなり切羽詰まってきてるなと感じ、胸がそわそわしだしたら、過呼吸が起こりそうなサインです。

そうしたときはとにかく『ゆっくり呼吸する』ことです。

慌てず、落ち着いて、呼吸しましょう。

ここで気をつけてなければないないのが、『深呼吸ではない』です。大きく息を吸うことはむしろ逆効果になります。

吸った息を長い時間(10病程度目安)をかけてゆっくり吐き出してあげる呼吸法が有効です。


座れる環境でしたら、静かに座って、今の自分が1番楽な姿勢をとってリラックスして、ゆっくり呼吸します。


自分が過呼吸になりやすい性格や生活習慣、環境にあるかどうかは、ネットに『セルフチェック』がございますので気になる方や過去に過呼吸の体験がある方は是非探してみてください。

※医師ではないのでここであまり診断に繋がるような精密なチェックは私にはできません。診断はできませんので。


・過呼吸になってしまったら『治し方』

とにかく楽な姿勢で座りましょう。そして『ゆっくり呼吸法』で呼吸を整えていきます。

※呼吸法の例です。これしか呼吸法がないというわけではありません。

『ゆっくり呼吸法』

 ゆっくりとした呼吸は、まず最初に、

①5秒間息を止め、呼吸を一度落ち着かせます。

※状態として息を止めることが不可能な場合は①はスキップします。

② そしてゆっくり吸います。

※深呼吸ではありません。

③次は3秒かけて息を吐きます。 このとき、息を吐くことに集中し、心の中で「リラ~っクス」と唱えます。

※別にリラッ~っクスでなくてもOKです。気分が楽になるようなことならなんでもOKです。ポイントは、『間延びさせやすい言葉』ですね。

「ぺにょ~ん」とかでもイイんです。


・大事なことは、『吸った息をゆっくりと吐いていく』ことです。

最初にお話した通り、

過呼吸は速く浅い呼吸を繰り返すことで血液中の二酸化炭素が少なくなり、突発的に引き起こされます。

このときに、上手く呼吸ができないことから「酸素が足りない!」と、自分も、周りの人も錯覚をしてしまいがちですが、実際に血液中の酸素が不足した状態になることはありません。

酸素は足りているのです。過度に息を吐きすぎて血中の二酸化炭素の濃度が低くなってしまっているので、『正しい吐き出し方と吐き出す量に戻してあげる』必要があります。そのやり方がゆっくり息を吐き出すということです。


紙袋などを口にあてがって呼吸する民間療(ペーパーバック法)を行ってしまう場合が多いですが、ペーパーバッグ法は窒息の危険性があるため、行なわないようにしましょう。

※このやり方は酸素が足りなくなってしまうので危険


呼吸法を行いつつ、気を紛らわせ、気分を落ち着かせるように促しましょう。


●まとめ

過呼吸とは、主に長期的・慢性的な緊張、不安、ストレスによって引き起こされます。

迷走神経反射とは似てて非なるものです。

激しく速く浅い呼吸が続くことで呼吸が困難となり、重度になりますと失神してしまいます。

過呼吸になりやすい方には、几帳面、心配性な方が多いです。

精神疾患や発達障害の方も併発しやすいです。

過呼吸の治し方は、過度に吐きすぎている息を正常に戻してあげることにあります。

息を一時止めたり、ゆっくり呼吸法などを行い、吸った息をゆっくりと吐いて整えてていきます。

気持ちをリラックスさせることがとても大切ですので、併せて気を紛らわせて落ち着かせていきましょう。


こんな具合です。

職場のバイトちゃんは、緊張して夜も眠れてなかったそうです。ずっと緊張してる状態でレジ立ったときに緊張がピークにたってして発作的に起こってしまったのかなと予想されます。

事務所に連れていって座らせて、呼吸法を促しつつ、やさしくトークしてリラックスを試みました。

無事に落ち着いたのでその日は帰宅させることとなりましたが、どうやらそのまま辞めてしまったそうです。

怖かったのね、不安だったのね。精神的に未熟な高校生だし、仕方がないですね。


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